はじめに
1949年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志による日本の青年会議所(JC)運動は始まりました。その想いは全国各地に飛び火し、共に向上し合い、社会に貢献しようという理念のもとに各地に次々と青年会議所が誕生していく中、1963年三沢地域の高き志と使命感を持った青年が集い、十和田青年会議所のご尽力の元、日本で262番目の青年会議所として三沢青年会議所は設立されました。設立以来永きに亘り同じ志を持つ青年経済人がこの三沢地域の明るい豊かな社会の実現を目標に活動し続け、本年、60年目を迎えます。これも偏に地域の皆様のご協力と先輩諸兄姉が、創立から今日に至るまで、不断の努力と熱い情熱により、地域の発展のために、ご尽力をいただいたことによるものと心より感謝並びに敬意を表する次第でございます。私たち現役世代は、改めて60年に及ぶ歴史に深く感謝し、永きに亘り、紡いできた想いを受け継ぐ責任と覚悟をもち、この高き志と使命感を未来のJAYCEEに引き継いでいかなければなりません。
昨今、世界各地で大地震や異常気象による自然災害、そして新型コロナウイルス感染症の影響により、甚大な被害がもたらされております。刻々と世界情勢が変化する中、新しい生活様式が普及し、社会活動だけでなく青年会議所活動も大きな変革期を迎えています。このような時代だからこそ、私たちは青年会議所の理念である「明るい豊かな社会」の実現のために力を合わせなければなりません。三沢の未来を見据え、「ひと」の幸せと「まち」の発展を想い、青年会議所運動に取り組んでまいりましょう。
~未来を担う子供たちの育成~
コロナウイルスの影響により人々の行動が制限され、子供たちが今まで当たり前にしてきたことができなくなっている現状があり、故郷での実体験や人とのふれあいの機会が少なくなることで、子供たちの貴重な成長期の時間が不毛に過ぎ去ってしまっています。子供たちのために、感染症対策を講じながら、様々なふれあいや経験、そしてこの地域での実体験の機会を創出していかなければなりません。
地域の大切な宝である青少年が、次代のまちの未来を創造していく青年として成長していくことは、地域の明るい未来を創造するうえで重要な要素であり、私たちの願いであります。地域の子どもたちが、まちの未来を担う青年へと成長を遂げたとき、自己利益のためではなく、周りの人を思いやり、地域社会に想いがおよび、利他の精神で行動していけるように導いていかなければなりません。そのためには感受性が豊かな幼少期にあらゆることに興味をもち、自らが気づき・考え・行動し、成功や失敗を繰り返し、その中から多くのことを学びとり、経験する機会が必要だと考えます。
家庭・学校・地域を巻き込み、青年会議所だからこそできることを模索し、未来を担う子供たちの心豊かな成長と、夢と希望を育める青少年活動を展開してまいります。
~地域の発展と成長~
私たちの地域は米軍基地があり、また航空自衛隊唯一の日米共同使用航空作戦基地でもあります。その影響から、市内には国際色豊かな様々な人たちが溢れ、地域の方が交流することができる公園や行政施設も多くあります。しかしながら、近年の新型コロナウイルスの影響が色濃く残り、国際的な交流やイベントはまだまだ自粛を余儀なくされていることから地域に暗い影を落としています。地域が活気を取戻し、再び輝くためには、今こそ我々青年会議所が希望をもたらす変革の起点となるべく行動を起こさなければなりません。
三沢地域には、地域を活性化するための資源が多くあるはずです。それらを地域住民と再共有、再活用し、新たな価値を創出することで、将来に渡りまちに愛着を持つ人が住み続いていくのではないでしょうか。一人でも多くの住民と地域の未来を共有し、持続可能な三沢を創造していきます。
~多くの同志と柔軟な組織へ~
青年会議所が持つ大きな特徴として、20歳から40歳までという年齢制限が存在しているということです。この年齢制限により常に若さを失わず、情熱を持ち、時代に必要とされている活動を迅速に行うことができます。しかしながら、年齢制限があるということは、同じ志を持ち共に運動していく仲間を増やしていかなければ、会員減少により組織が縮小化し円滑な組織運営に支障が出てきてしまいます。青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現に向けて活動しており、その実現のためには多くの仲間が必要です。事業を展開するために多くのマンパワーが必要となることも重要ではありますが、多様な経験と価値観を持った同志を集めることで、より大きな視点で地域に根差した事業を構築できるようになると考えます。さらに、それらの仲間と切磋琢磨していくことで、自己の成長の一助となるはずです。地域の発展と自己成長を目指し、多くの同志を集めてまいります。
近年の三沢青年会議所を見て、組織の変化も重要な課題の一つと感じます。ある限られた役職に過度な負担がかかり、青年会議所活動が重荷に感じてしまう状況に陥ってしまう節もある様に感じます。メンバーの負担を適正化し、より前向きに青年会議所運動ができる環境を整えていきます。そして、仲間を大切に楽しく運動に励み、三沢青年会議所が地域で一番元気のいい活力あふれる団体として未来永劫存在し続けられるようメンバーの帰属意識を高めます。
~感謝する心と未来へ紡ぐ地域の軌跡~
本年三沢青年会議所は創立より60年の節目を迎える運びとなりました。これも偏に地域の皆様のご協力と、これまで築き上げて来られた先輩諸兄姉のご支援の賜物と思い只々感謝しかありません。そして、県内外各地で同じ志を持ち活動をする多くの仲間の存在を忘れてはなりません。是非、この節目の年に私たちは多くの歴史と精神を学び、関わり持つ全ての方への感謝をしていきましょう。これまで60年の永きに亘り受け継がれたJCの思想はこの地域にどれ程浸透できたでしょうか。設立当時の経済情勢は高度経済成長のどまんなかであり、大変賑やかで力に満ち溢れた時代であったことと思います。それから安定成長期(バブル)を越え平成不況へと時代は変化をしていきます。その時代時代で真摯に取り組まれたJCの事業は勇壮で逞しく、時には知的で繊細であった多くの事業が、この地域にとってまさに必要なことだったのだろうと私は信じて疑いません。そして多くの経験は今後の挑戦に決して裏切ることなく繋がっていきます。長きに亘る年月を経て、幾かの障害を乗り越え、一歩一歩歩みを止めること無く進んできたこの60年へ一つの区切りと、そして新たな出発を祈念し、感謝と希望溢れた記念事業を展開していきます。
~結びに~
「日本の青年会議所は 希望をもたらす変革の起点として 輝く個性が調和する未来を描き 社会の課題を解決することで 持続可能な地域を創ることを誓う」 多くの青年たちが各地域の未来を考え行動をおこしてまいりました。今三沢青年会議所がここに確かに存在し、これからもここに有り続けるのならば、世代を超えた同志がこの地域を創ってきたことに誇りをもち、同じく郷土を愛し、そして次代へと残していかねばなりません。半世紀の節目を経た今、日々新たに自己を見つめ理解し、自信をもって行動しよう。未知の可能性を秘めた地域の未来のために。